TS-251BとQsirch(その3)
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2025.10. 1 Ver. 1. 0 公開初版

1 はじめに
 QNAP社のNASを以前から複数機種使用しています。そして、全文検索のアプリケーションQsirchを使用するためにTS-251Bを導入しました。
 しかし、Qsirch5.2.0以降のバージョンはインデックスの作成に長時間かかり実用性がありません。そこで、Qsirchをダウングレードして、現時点では最も問題が少ないバージョンと考えられるQsirch 5.1.3を実際に使用した実績について説明します。今回使用したQsirch 5.1.3はダウンロードページを見つけることが大変困難です。簡単にダウンロードできるQsirch 5.0.3でも同等の結果が得られると思います。
 なお、Qsirchのバージョンだけでなく、OSのQTS、アプリケーションのMultimedia Consoleのバージョン、搭載メモリーの容量、取り扱うファイル等によって、インデックス作成の所要時間はかなり変動します。下記はあくまでも目安として見ていただきたいと思います。

2 TS-251Bの設定内容等
 まず、最初にTS-251Bの設定内容等を示します。
項目 内容 記事
1. メモリー 16GB=8GB×2
SODIMM DDR3L,1866MHz
仕様では8GB=4GB×2までとなっていますが、実際には16GB=8GB×2まで搭載可能です。
また、DDR3L 1600MHzでも動作します。2枚のメモリは容量及びメーカー、形式を統一しないと正常動作しません。
2. QTS 5.2.6.3229 OSです。
3. Qsirch 5.1.3(2021-07-29) 全文検索ソフトウェアです。Liteバージョン。Qsirch 5.0.3でも同等の結果が得られると思います。
4. Multimedia Console V2.9.0(2025-08-21) 画像のサムネイルや類似画像をAIでピックアップするソフトウェアです。
5. HDD 4TB×2台
WD40EZRZ-00GXCB0
HDD自体はNAS用ではありませんが、4年以上全く問題なく使用できています。
6. RAID RAID1 ミラーリング設定です。
7. 容量 3.64TB 4TBのうち、10%程度が管理領域やOSのために使用されているようです。
8. データ容量 1.50TB 今回の実験時に使用したユーザーデータ容量です。
9. ファイル数 2,270,741 今回の実験時に使用したユーザーデータのファイル数です。
10. フォルダ数 230,647 今回の実験時に使用したユーザーデータのフォルダ数です。

3 Qsirchの動作

 本来、NASは通電しっぱなしで使用するもののようですが、家庭内設置なので必要な時だけ、電源を入れるという運用にしています。このため、インデックス作成が完了するまでに電源を切ってしまう場合があり、その場合はインデックスを最初から作成しなおすことになります。よって、インデックス作成が完了するまで、必ず電源を入れっぱなしにしてください。

項目 数値 コメント
1. インデックス作成 89.1 時間 電源を途中で切ると最初からやり直しということになります。完了するまでひたすら待ちます。
2. インデックス再作成 6時間7 一旦インデックスが完了するとその状態が保持されます。しかし、電源を切ると次回電源投入後、インデックスの状態を再確認するようで、左記のような時間がかかります。これが終わるまでに電源を切ると次回投入時に再度インデックスの作成をやり始めました。
3. Multimedia Console 89.1 時間 ? インデックス作成中にこのソフトにより「画像のサムネイル作成」、「画像の顔認識」、「オブジェクト認識」、「類似した写真の認識」が同時並行で行われるようで、長時間かかります。しかし、明示的に把握することが今回はできませんでした。

 
インデックス作成中にQsirchの進捗状況を確認すると下図のようになります。
 インデックス作成中にQsirchで進捗状況を確認するには右上の書類入れのようなアイコンをクリックします。するとバックグラウンドタスクという小さなウインドウが表示されます。
 最初は左図の残りのファイル:
367の部分の数字が少しずつ増えていき、記録ファイル数に到達すると今度はこの数字が少しずつ減っていきます。
 残りのファイル数の表示が0になっても、まだ、バックグラウンドで何か処理をしているようです。
 全フォルダのファイルがインデックス化されると左のような表示が出ます。
そして、次に左のような表示となります。
これでやっと完了です。
縦軸は残りファイル数、横軸は経過時間です。  Qsirch 5.1.3をインストールし、初めて起動するとインデックスすべきファイルの読み込みと処理が直ぐに始まります。
 進捗状況をグラフ化してみました。Y軸はインデックス作成中に表示される残りファイル数、X軸は経過時間です。全処理が終わるまで89.1時間でした。
 前回Qsirch 5.2.3でインデックス作成した時は、より少ないファイル数、ファイル容量で約191時間でした。よって、画像は処理対象とせず、全文検索のみで運用するならQsirch 5.1.3にダウングレードしたほうが良いでしょう。


4 おわりに
 NASにデータを保存したら、ミラーリングとインデックス作成が完了するまで通電し続けることが重要です。インデックス作成中は、NASのCPU使用率が99〜100%となり、レスポンスが大変遅くなります。

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